#25 発達障害者支援グループ連絡会

公開開始日:2020年03月27日

公民館を拠点に、発達障害への理解を

岡山市内の公民館では、いろいろな形で、発達障害に関する理解を進めるための啓発活動を行っています。公民館が主催の講座やクラブ講座、公民館で活動している会やグループ、また全市的に活動しているグループなども含めると、その数は27にものぼります(2020年3月現在)。各地域で、発達障害者(児)や、さまざまな特性をもつ子どもたち、またその親どうしの支援や交流が行われています。公民館のサポートの下、そうした団体どうしの交流、支援、学習会などを行っているのが、「岡山市公民館 発達障害者支援グループ連絡会」(以下、連絡会)です。

点から線へ、横のつながり>

かつてはそれぞれに活動していた団体が、こうして集まるようになったきっかけは、2009年に岡山ドームで行われた「わくわく子どもまつり」だったそうです。そこで「発達障害者支援ブース」として、活動紹介や体験記などを展示することが決まり、その準備のために集まるようになります。継続して「子どもまつり」に関わる中で、「まつりの準備のためだけに集まるのではなく、情報交換・交流をしたい」という意見が出たことから、市民の企画メンバーと公民館職員とで2015年から交流会を実施し、現在の連絡会(2019年発足)につながりました。,br> 面積が広く、地域ごとの特徴も異なる岡山市。それまでは、各団体が「点」としてそれぞれに活動していたのが、これを機に横のひろがりが生まれ、さまざまな連携ができるようになったと言います。

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参加者からの声で学習会を企画

連絡会の紹介で2月18日、操山公民館で行われた「ふらっとhome〜子育てトーク会〜」の学習会にお邪魔しました。この日は、「スペシャルオリンピックス日本・岡山」の妹尾千恵子さんを講師に迎え、知的障害のある人たちのスポーツ大会であるスペシャルオリンピックスの理念や歴史、岡山県内での活動などについて学びました。

障害者のスポーツ大会としては、パラリンピックや、聴覚障害者を対象としたデフリンピックがありますが、スペシャルオリンピックスは、トップアスリートの育成や、金メダル獲得を目標とするのではなく、知的障害のあるすべての人にスポーツを楽しんでもらうことを目的としていることが特徴です。「スポーツはあくまで手段、ツールであって、人間を育てるためにあるものなんです」と妹尾さん。

講演の後は、車座になって参加者どうしで簡単な自己紹介をした後、質問タイム。「小学校の入学準備はどんなことをしましたか?」といった質問に、同じ悩みを経験した先輩のお母さんたちが答えていました。

「ふらっとhome」ではこれまでも、「こんな話を聞いてみたい」という参加者からのリクエストに応じて講師を招き、学習の機会を設けてきました。たとえば、就労継続支援A型事業所の職員や、不登校やその傾向のある児童生徒を対象に学習支援等を行っている適応指導教室の指導員など。

また、参加者どうしで話し合う時間も大切にしています。「ふらっとhome」の参加者は、就学前~小学校低学年の子どもをもつお母さんが多いそうですが、学齢期を過ぎ、就職等をしている子をもつお母さんも少なくありません。岡山市発達障害者支援センター「ひか☆りんく」の職員も交え、日常的な悩みを話し合ったり、体験談を分かち合ったりしたりしています。

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「一人で悩まないで」公民館から発信

連絡会のメンバー・後藤智子さんは、「支援の必要な子と親の会 たんぽぽの会」の代表を務めています。同じく連絡会メンバーの西由美さんは、「ひまわりサポーターズクラブ」の代表。二人とも、発達障害をもつお子さんを育てる先輩お母さんです。自身の経験から、会の意義をこう話します。

「子育ては、どうしても母親一人に負担がいきがちで、苦労を抱え込んでいるお母さんがたくさんいます。私たちも会の活動を通して『悩んでるのは私一人じゃないんだな』と知ることで、気持ちが軽くなった経験がある。だから、『一人じゃないよ』『孤独じゃないよ』ということを伝えたい。子育てに解決策や、決定的な治療法はないけれど、問題解決への道を一緒に探していくことができればと思っています」

西さんのお子さんは、人との距離のとり方が苦手。西さんは、以前はずっと謝ってばかりで、苦しい日々だったと言います。でも、同じ発達障害をもつ子どもの中には、そうした距離感が心地よく感じる子どももいて、友人関係をゆっくりと育めるようになっています。

また、後藤さんは、まず親自身が楽しむことが大事だと話しています。
「親が楽しんでいれば子どもも動く。『子どものために何とかしてあげよう』と思うだけでは、子どもは動かないんですよね」

そして、こうした活動に対して、場所の提供のみならず、物心両面でのサポートをしてくれたのが公民館でした。連絡会発足のきっかけとなった「わくわく子どもまつり」についても、後藤さんと西さんは「公民館が私たちを引っ張り上げてくれた」と話します。連絡会は、当初は職員が主導的に機会を提供していましたが、今では二人のような市民が主体となって、職員はサポート役に回っています。今回の取材では、公民館がまさに「共生のまちづくりの拠点」となっていることを実感しました。

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