#4 天使の歌声を求めて

公開開始日:2016年11月28日

桃太郞少年合唱団の発足

昭和36年に倉敷でウィーン少年合唱団の演奏会が開催されました。その演奏を聴かれた当時の三木行治岡山県知事は、その声の美しさに感動し、「岡山にもウィーン少年合唱団のような合唱団が欲しい。」との想いで創設されたのが桃太郎少年合唱団です。
それから半世紀、桃太郎少年合唱団は歴史を重ね、今年で54回目を迎える定期演奏会の他に、オーケストラとの本格的なクラシックコンサートヘの合唱参加なども経験してきました。創立20年目から海外での演奏や合唱団との交流が始まり、ハワイでのホノルル少年合唱団とのジョイントコンサートを皮切りに、中国・洛陽、オーストラリア・シド二-、ヨーロッパではケルン、デュッセルドルフ、ボンなどでの演奏の機会を得ました。
中でも平成11年8月に行われたオーストリア・ウィーン少年合唱団との合同合宿は、世界の少年合唱団の中で初めて実現した快挙です。

定期演奏会定期演奏会の様子

少年合唱の魅力

小学校へ入学した当初の子どもの歌声は、元気一杯で溌剌としたものです。そうした子どもたちが声楽的な発声のコツをつかむと歌声は俄然輝きを増します。
中でも小学校の3年生4年生頃の男子の中には、「天使の歌声」とも呼ぶことが出来る美しい声で歌う子どもが出現します。少女の声とは違い大人の女性の声とも違う、少年だけが出すことの出来る透明で清純な歌声です。私たちが求めている「天使の歌声」がその輝きを放つのは、誠に短い期間です。程度の差はあれ、変声期が訪れると残念なことですがその輝きは失せてしまいます。もし変声期というものがなければ、ボーイ・ソプラノは、これほどの輝きを見せることはないでしょう。その輝きがつかの間であるが故に美しいのです。

京橋朝市
京橋朝市で歌声を披露

豊かに育つ少年たち

合唱活動には調和が求められます。美しい合唱は、音程・リズム・ハーモニーが命です。仲間たちと音程とリズムをそろえ、整ったハーモニーを創ります。合唱の世界では、個々の個性を尊重しつつ全体では統一感のある歌声を目指します。歌うということは楽譜を音に変えることから始まりますが、それだけでは音楽にはなりません。歌声を通して何を伝えたいのか、明確な意図をもって歌うことが大切です。何かを表現しよう、何かを伝えようという、合唱表現の根幹に当たる部分は、仲間との豊かなコミュニケーションではぐくまれます。加えて先輩の助言や指導者の的確な指導が音楽をより豊かなものにします。指導者の役割は、技術的な指導は当然ですが最も重視していることは、子どもたちの意欲を引き出すことです。この部分が欠落すれば全く魅力のない演奏になってしまいます。歌う喜び、表現する楽しさを存分に味わうことによって、心豊かな少年が育つのです。

全国で活動する少年合唱団は約10団体で、大変貴重な存在となってしまいました。岡山で生まれ、岡山で育った桃太郎少年合唱団。地域の誇りとして、発展していきます。

夏合宿2
夏合宿の様子

 

上月明(こうづき あきら)

昭和48年3月、岡山大学教育専攻科(音楽専攻)修了。作曲を菱川欣三郎氏に、指揮を近藤安个氏に師事。合唱曲の作品に、女声合唱組曲「母と子の語らい」、ソプラノと男声合唱のための曲集「月曜日の詩集」等がある。
指揮者としては、大学を卒業後まもなく岡山大学男声合唱団コール・ロータスの常任指揮者に就任し、38年間指導に当たった。また、昭和46年岡山市民合唱団鷲羽創立とともに活動に参加し、昭和53年からは指揮者として現在に至るまで活動を続けている。また、二期会中四国支部オペラ「魔笛」の公演や岡山シンフォニーホール開館記念オペラ「ワカヒメ」の初公演で合唱指揮をつとめたり、平成22年10月には、国民文化祭「合唱の祭典」で、信長貴富氏に委嘱した、「どんたく-竹久夢二の八つの小唄-」の初演を指揮したりした。平成25年9月に桃太郎少年合唱団の団長に就任。
現在、岡山県合唱連盟会長、岡山大学男声合唱団コール・ロータス名誉指揮者、岡山市民合唱団鷲羽指揮者、桃太郎少年合唱団団長。
上月さん

 



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