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その17【市の職員って、岡山市の未来を変えていける仕事!!】

更新日:2017年08月10日

「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で活躍するNPO法人の皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。
※なお、内容は執筆当時のものです。

CAPおかやまの山下明美さんにお話を伺いました!

   CAPおかやまの山下明美さん   

岡山市保健所健康づくり課と児童虐待の予防・啓発を目指した市民協働推進モデル事業に取り組んでいる、CAPおかやま(以下、CAP)代表の山下明美さんにお話を伺いました。


矢印CAPおかやま(団体検索サイト)
矢印CAPおかやま(別サイト)


山下さんとCAPとの出会いから・・・

1997年、夫の転勤で広島に住んでいた時に、子ども劇場の仲間に誘われて、CAPスペシャリストの資格を取りました。広島での活動の後、岡山に引っ越し、CAP(当時はCAP岡山連絡会)に参加したのは2001年から。2011年の春から代表になりました。

1997年当時、専業主婦だった私には、自分への投資としての高額の受講料と3日間にわたる講座への参加はとても勇気のいることでした。でも、「『子どもを叩いてはだめ』という理由が答えられるようになるよ」という言葉に惹かれて受講しました。私自身が叩かれて育ってきたので、ごく当たり前に、我が子に手を上げることがありました。でも、CAPに出会い、私の子ども時代には「安心」も、「自信」も、「自由」もなかったことに気づきました。そして、あんなにいやだったのに、子どもに同じことをしていることにも気がつきました。居ても立ってもいられず、受講したその夜に「お母さんは今まで間違ってた、ごめんね」と子どもたちに謝り・・・、親子で抱き合ってワァワァ泣きました。今では成人した子どもたちは、その夜のことは覚えていないようですが(笑)

子どもを叩いていた自分が、CAPで「子どもへの暴力防止」を伝える側になることはありえないと思っていました。しかし、「あなただからこそ、同じように子どもを叩いてしまう親たちの心に届く言葉がある、伝えられる言葉を持っている」という仲間に支えられ、徐々に人前に立つようになりました。講座を受けた日から一度も手を上げることなく、今日に至っていますが、不思議な出会いの数々に導かれ、「子どもへの暴力防止」を伝える側に居続けることができたおかげだと思っています。


願いは、子どもへの暴力のない社会を築くこと~だから「一網打尽作戦」!

CAPおかやまが実施しているワークショップCAPおかやまが実施しているワークショップ
CAPおかやまが実施しているワークショップ

CAPとは、Child Assault Prevention(子どもへの暴力防止)の頭文字です。子どもが自分の「権利(人権)」を大切にして、あらゆる暴力から身を守るための教育プログラムです。そして、子どもが自分を大切にするため・守るためには、子どものSOSを受け取るおとなの存在が不可欠です。子どもを対象にしたワークショップの前には、必ず「子どもの話を聴く」練習をするために、おとなを対象にしたワークショップを実施しています。CAPプログラムは、子ども・保護者・教職員の3つのワークショップで成り立っています。

CAPおかやまが実施しているワークショップ
CAPおかやまが実施しているワークショップ

私たちの活動の目的は、子どもへの暴力のない社会を築くこと。年間80回程度のプログラムを実施していますが、その目的のためには、子どもの発達を理解し、子どもの視点に立って、子どもの話に耳を傾けるおとなをもっと増やしたいと思ってきました。そこで、皆が必ず受ける小学校就学前の健康診断や1歳6か月児健診、3歳児健診の時に情報提供できないかと考えました。名付けて「一網打尽作戦」です!


市民協働推進モデル事業の始まり
・・・「なんとかできないかな」と一緒に考えたこと

2013年当時、保健所健康づくり課の課長さんに「健診のときに30分でもいいから、ワークショップをさせてほしい」と、ダメ元で話をしました。課長さんは、「いい考えなんだけど、ちょっと無理かなぁ。どんな感じか、一度健診会場を見て!」と。そこで会場に行って納得。限られた時間とスペースで、少しでも早く受診して帰りたい親と、できるだけ待たせないようにと気をつかう保健師さん。「ここで皆を引き留めて一斉に話をするのは無理!」と納得でした。

でも課長さんと担当の保健師さんは、児童虐待防止のために、「CAPのノウハウや視点をいかせないか、なんとかできないか」と一緒に考えてくれました。CAPに信頼を寄せてくださっていることが分かり嬉しかったです。


一緒に企画していく過程も協働でした

そこからおよそ1年間、市民協働推進モデル事業(以下、モデル事業)に提案するために、何度もお会いして内容や方法を検討していきました。そして、健診の順番を待つ時間に、見てもらうパネル展示なら「できる!」と、方向性を見出すことができたのです。この事業を進めていくための、大きな大きな一歩でした。親たちが子どもの目線や感じ方を体験できる展示や、健診後も見ることのできるパンフレットの作成、保健師さんの研修、この一連の組み合わせをモデル事業として提案することが決まりました。課長さんと担当保健師さんと3人で何度も話し合いました。モデル事業の提案書を提出する直前のバレンタインデーには、一緒にチョコレートを食べながら・・・(笑)

この1年間の準備期間の中で、確かな信頼感が生まれ、不思議な心地よさも広がりました。毎回、「できる!」、「やれるんだ」とわくわくしました。一緒につくっていく波長があっていたのかもしれませんね。今思えば、この一緒に企画していく過程がすでに協働でしたね。


人事異動で担当者が異動・・・

モデル事業のプレゼンの日に、課長さんも担当保健師さんも人事異動されることを知りました。仕方のないこととはいえ、戸惑いは大きかったです。その後、無事採択され、モデル事業を引き継がれた新しい担当の方との協働が始まりました。新しい担当の方もそうだったと思いますが、当初はかなりしんどかったです。当然、事業の必要性や意義を考え、ゼロから一緒に企画を考えてきた方たちと同じように積み上げていくには時間が必要でした。年度始めは、スタートラインに戻ったつもりで、何度も話し合いを重ね、理解を深めていきました。

  パンフレット外部
保健センターで配布されているパンフレット

  パンフレット内部
「子どもへの暴力防止」の大切さを伝えている


それでも、7月には予定していた健診担当の保健師さんの研修会を開催することができました。健診を担当される保健師の皆さんが、主旨や目的等をとても前向きに受け止めてくださり、研修後から「よりよいものをつくろう」と原稿のチェック等を本気で提案してくださいました。この時、また大きく一歩前に進むことができたのだと思います。

パネル展示
保健センターに展示されているパネル

現在、3枚1組のパネルが7つの保健センターそれぞれに設置されています。保健師さんから直接手渡される、はがきサイズのパンフレットには、子どもの目線を分かりやすく伝え、相談窓口をまとめて紹介しています。子どもから親へのメッセージや、CAPから親へのメッセージを載せたこのパンフレットはあちこちで好評で、まさに現場の保健師さんとの「協働の結晶」だと自負しています。


市の職員に伝えたいことは?

伝えたいというか・・・お尋ねしたいです。
「皆さんは、何のために仕事をしていますか?」、「岡山市のどこをよくしたいと思って仕事をしていますか?」と。

行政とたくさんの会議や審議会を行っていますが、「そもそも何のための会議なのか?」と疑問に思うことがあります。「計画をつくるため」ではないはずです。何のために計画をつくるのかということ。まして、会議をすることや審議会をすることが目的ではないはずです。市の職員って、岡山市の未来を変えていける仕事ですよね。その力を、大いに発揮してほしいです。

仕事って、目的があるからするんだと思っています。NPOも同じです。どのNPOにも目的のない活動はありえない。今回のモデル事業は、そのことを職員さんと共有することができたので、協働を進めてこれたのだと思っています。
私たちCAPおかやまも、CAPプログラムを「実施する」ことが目的なら、この協働事業は生まれなかった。子どもへの暴力をなくし、子どもが安心して自信を持って自由に生きられる社会を築くことを目的としているから、「一網打尽作戦」が生まれたのです。

今回、完成したパネルやパンフレットを、もっとたくさんの人に届けたいと願っています。そのために、さらに改良し、もっと活用方法を検討していきます。子どもが安心できる未来のために、子どもの声に耳を傾け、子どもの視点を大切にして子どもに関わるおとなを増やしていくために、そして先を行く者の責任として、これからもできることをしていきたいです。



次はどんな団体が登場するかな?お楽しみに!

のっぷ



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