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「アンガーマネジメントでいらいらしない子育てを」を公開しました!

公開開始日:2021年12月22日

アンガーマネジメント

「なんでできないの?」「早くしなさい!」などと、子どもについ口やかましく責めたり叱ったりしてしまうことはありませんか。「あんなに怒らなくてもよかった」と後悔し、辛くなったり、もやもやとした気持ちになったり…。怒りとうまく付き合い、おだやかな気持ちで子どもに対するためにはどうしたらよいのでしょうか。
怒りの感情との上手な付き合い方や、上手な叱り方について、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 トレーニングプロフェッショナルの川上陽子さんにお聞きしました。

怒りをコントロールする方法とは?

怒りをコントロールする方法

「アンガーマネジメントでは、『怒り』は人間にとってごく自然な感情のひとつだと定義しています。いらいらしたくない、怒りたくないとおっしゃる方は多いですが、生きていくうえで切り離せない感情です」と話す川上さん。もともと動物に備わっている「身を守り、危険を回避する」ための本能的な感情で、裏を返せば、自分にとって守りたい何かが脅かされそうな時の反応でもあるのです。体だけではなく心を守りたいという場合もありますので、自分が守りたいことに気づかせてくれているのだと考えましょう。

アンガーマネジメント=「怒りで後悔しないこと」と訳されています。怒りの感情そのものが悪いわけではなく、「怒っておけばよかった」あるいは「怒らなければよかった」という後悔をなくすことがアンガーマネジメントです。トレーニングには二通りの方法があります。

ひとつは、怒りの感情が湧き上がった時に、本能のままに怒るのを避ける対症療法です。もうひとつは、怒る必要があるかないかの線引きをして、怒りにくい心づくりをする長期的な体質改善です。このふたつのトレーニングを組み合わせることで、怒りの感情と上手に付き合うことができます。まず、対症療法である「衝動のコントロール」をご紹介します。

深呼吸や体操がおすすめ

怒りの感情が湧いてから、理性が働くまでに6秒間のタイムラグがあることがわかっています。その時間差をやり過ごすための方法です。

①その場を離れる(タイムアウト)

別の部屋やトイレなどに移動して、子どもの目の前からいったん立ち去りましょう。
ただ黙って立ち去るのではなく、「少し頭を冷やしてくるね。戻ったら落ち着いて話そう。」などいつ戻るかを伝えましょう。

②体を動かす

背伸びしたり首をぐるぐる回したり、動作に意識を向けて気を紛らわせましょう。「胸をトントンしてごらん」「手をグーパーしてみようか」などと親子で互いに体を動かすのもいいですね。

③深呼吸する

「ひとつ、ふたつ」と数をカウントしながら吸ったり吐いたり。特に「吐く」ことに意識すると、副交感神経を刺激して心が落ち着くのでおすすめです。

深呼吸する

怒りの正体を見極める

次に、自分がなぜ腹が立っているのか、怒りの正体を自覚し、本当に怒る必要があるかどうかを見極めることも大切です。「親として大切にしている『こうするべき』という自分の理想に、原因が隠れています。自分の『べき』を探ると、自分の怒りの背景や傾向が分かってくると思います」と川上さん。

たとえば、おもちゃを投げる子どもに対して怒りが湧いた時、その元にある「べき」は何なのかを考えます。
おもちゃを大切に扱うべき?人に当たって危ないから投げるべきじゃない?おもちゃを粗末にするべきじゃない?

思いつく各々の「べき」について下図のように「許せる」「まあ許せる」「許せない」の境界線を明確にすると、本当はどうして欲しいのか、相手へのリクエストが見えてきます。

叱ることは、子どもへのリクエスト。「人に当たると危ないからおもちゃは投げてはいけないよ」と子どもに具体的な言葉でリクエストし、理由を明確に伝えるのが上手な叱り方です。感情をぶつけることなく、相手を責めるだけでなく、本当に必要なことだけを上手に叱ることができれば、子どもとの関係も良好になり、不要な怒りで後悔することもなくなるはずです。

怒りの正体

ゆとりある心を持つことも必要

川上さんは、怒りのメカニズムをガスライターに例えます。「ライターの中にガスが充満していなければ、たとえ点火しても大きく燃えることはありません。けれど、ガスが満タンだったら、少しの火種でも爆発してしまいますね。ガスは、お母さんが抱えている負の感情や状態。夫や姑への不満だったり、寂しさや悲しさ、痛み、焦りだったり。実は子どもとは関係のないところに怒りの種があるかもしれませんね」とほほえむ川上さん。イライラのガスが充満してしまわないように、時には『心のガス抜き』もしてみてください。

怒りのメカニズム

お話を聞いたのは Y’s オフィス 川上陽子さん

Y’s オフィス 川上陽子さん

私自身も、子育て中はよく子どもを叱っては自己嫌悪に陥っていました。それは朝の慌ただしい時間だったり、仕事が立て込んでいる時だったり、育児をする自分が社会から取り残されるような焦りを感じてのことも多かったように思います。自分の経験も踏まえて、今はアンガーマネジメントのトレーニングのほか、ビジネスコミュニケーションや働き方改革についての研修・コンサルティングも行っています。子育てと仕事を両立している女性が活躍し、充実した人生を送るための方法についても共に考えていきたいですね。