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#41 子どもにとってのドラえもんになろう

公開開始日:2014年01月14日

 

きかせてぽっけ

このコーナーでは、子育てに関するいろいろなアドバイスや経験談をご紹介しています。
専門家や子育ての先輩たちの声をきいて、明るく、楽しく、子育てしましょう。
みんながあなたを応援していますよ!

NPO法人岡山県自閉症協会副理事長 伊丹英徳

社会の基本は家庭に

今年、27歳になる息子が、自閉症と診断されたのは、彼が3歳のときです。
当時は、今ほど自閉症の障害特性が明らかになっておらず、一見聡明そうなわが子の障害を理解してくれる人は周りにはいませんでした。しかし、そのような状況でも私たちは、彼の可能性を信じていましたし、彼の可能性を引き出すための支援に多くの時間を費やしてきました。
 
私たちは障害を通してわが子を見るのではなく、彼が彼らしく生きるという視点にたち、成功体験の積み重ねや居場所作り、家庭での役割を重視し、彼の社会性を築くベースは家庭であると考え、子育てをしてきました。
 

親は子どもの最高の理解者

息子は、小さい頃から、「何か人と違う」と感じているようでした。
 
そんな時、私たちは「お前は、お前でいいのだ」と言ってやり、彼のよいところをしっかり評価することを心がけていました。
私たちは、息子が望まれて生まれてきたこと、私たちにとってかけがえのない存在であることをしっかりと伝えてきました。彼にとって、私たち親はいつでも最高の理解者だと。
 

子どもに“役割”を

また、社会の基本になるものが家庭であると考えている私たちは、家庭内で息子に“役割”を与えることで家族(社会)の一員であることの自覚を持たせるように心がけてきました。
 
“出来るときにやらせる”のではなく、“しなかったら家庭の機能がマヒする”という責任ある仕事を彼に与えました。
 
また、家庭内での関わりを通して、私たちは「好きなこと・できること・続けられること」を意識してきました。
「好きなこと」を増やしてやることは、活動の幅を広げることにつながりますし、「できること」を増やしてやることは、社会生活を行う上で重要なことだと思います。
しかし、これらを好きなときではなく、その状況に合わせて「続けられる」ようにさせることも必要なことだと思っています。
 

親の持つポケットが鍵

親の持つポケット

いま、息子は美術系の専門学校を卒業し、漫画家になる夢を実現させるためにアシスタントの職を自らの力で得ることができました。
最近、「どのようにして才能(可能性)を引き出すことができたか?」との問い合わせがよくあります。
 
親が固定観念にとらわれず、子どもの世界を理解しようとする柔軟さと、子どもにいろんな可能性やポジティブなイメージを見せてあげられるポケットを持つ懐の広さが大切だと思っています。いろんな人と関わりを持つことで、支援のポケットを作ることができましたし、直接支援に結びつかない人とのふれあいも、ポケットの質を高めることにつながったと思っています。
 
「のび太を救うのは、やはり、ドラえもん」なのです。
 
子どもの才能(可能性)を伸ばし、子どもの社会性を広げることがどうすればできるのか・・・と考える前に、親の社会性を高めることが大切だと思います。それがポケットの数と質を決めることになるからです。
私自身、未熟ですが、今後もそうありたいと思っています。
 
 

 

伊丹英徳(いたみひでのり)

伊丹さん

  • 昭和61年自閉症の長男誕生
  • 平成元年長男が「自閉症」と診断される
       同年  心身障害児通所施設「バンビの家」父親の会入会
  • 平成2年 心身障害児通所施設「バンビの家」父親の会会長就任
  • 平成3年 心身障害児通所施設「バンビの家」父親の会会長退任
  • 平成10年 当時数名の母親で構成されていた自閉症協会岡山県支部のリニューアルスタッフ(バンビの家父親の会数名)に参加
  • 平成12年高機能広汎性発達障害児・者の親の会の立ち上げ「代表」就任
  • 平成14年自閉症協会岡山県支部副支部長就任
  • 平成16年自閉症協会(本部)による高機能自閉症・アスペルガー症候群全国ネットワーク支援事業企画委員委員長就任
  • 平成17年自閉症協会岡山県支部支部長就任
        同年 自閉症協会岡山県支部の組織変更に伴いNPO法人岡山県自閉症協会理事長就任
        同年 岡山県広域特別支援連携協議会及び岡山県発達障害者支援検討委員就任
  • 平成19年岡山県人権教育推進委員就任
  • 平成22年岡山県障害者施策推進協議会企画委員就任
  • 平成23年NPO法人岡山県自閉症協会副理事長に就任し後進の指導にあたる 

 

 

 

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