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東日本大震災の被災地視察の報告

公開開始日:2019年03月12日

OKAZEN 山田真珠・山田凪紗

はじめまして、OKAZENです。
OKAZENは、おかやまシティズンシップの略で、主に大学生により構成されている地域団体です。ESDや市民性教育、最近はSDGsにも力を入れて取り組んでいます。今回は、OKAZENの代表を務める山田真珠と山田凪紗が東日本大震災の被災地視察に行きました。

これまで災害が少ないと言われてきた岡山県ですが、7月の西日本豪雨では大きな被害を受けました。それ以降岡山県内では、「防災意識」や「防災教育」への関心が高まってきています。
今後岡山でどの様な防災・減災教育をおこなっていけばいいのか。私たちは、2018年度岡山ESDプロジェクトユース活動支援助成金事業を活用して、東日本大震災の被災地の取り組みを学ぶ為に視察を行いました。

視察先リスト
1.多賀城高等学校
2.一般社団法人まるオフィス
3.長洞元気村

視察1.多賀城高等学校

宮城県多賀城市にある高等学校。
2016年4月に「災害科学科」を開設。(全国で2例目)

多賀城高校における防災・減災教育の取組は、以下のものです。
1)普通科・災害科学科共通
基礎的な防災学習、東日本大震災の教訓の伝承、防災・減災学習を行っている学校との連携や交流、津波波高標識の設置やボランティア活動。
2)災害科学科
災害を科学的視点からとらえた学習。

多賀城高校多賀城高校

お話を伺うと学校全体として防災教育に力を入れていることが良く分かりました。授業においては、基礎科目に災害要素を取り入れた独自のテキストを開発し、使用している科目もあるそうです。また、昨年度には、全国から高校生を集め東日本大震災の経験と教訓を後世に継承することを目的にした「東日本大震災メモリアルday」を開催するなど積極的な取り組みもされていました。

教育学部に所属する私たちにとって、防災や減災を様々な面から捉え、取り組まれている多賀城高校のお話を聞けたことはとても勉強になりました。

視察2.一般社団法人まるオフィス

まるオフィスは、2015年に設立された宮城県気仙沼市で活動する街づくり団体です。地域ぐるみで人材を育て、還流が生れる仕組みをつくる地域の仕掛人になることを目的として活動を行っています。中心メンバーの多くは、東日本大震災を機に気仙沼と関わるようになり移住してきた人たちで構成されています。

まるオフィスで行われている活動は、以下のものです。
1)気仙沼の体験&実践型地元塾「じもとまるまるゼミ」
学校現場と地域を繋ぐ架け橋になったり、地域の主産業である漁師体験や農家体験を通して地域で良さを学ぶ機会を提供。
2)若者向けの人材育成プログラム
若者が気仙沼でやってみたいことプラン化する「ぬま大学」や地域で活躍する人たちと地域について語り合う「ぬま塾」を実施。
3)人材還流の仕組みづくり事業
気仙沼出身の大学生が高速バス片道を無料で帰省できるプロジェクトや地元企業への実践型インターンシップの実施。2016年からは、移住・定住支援センターMINATOを設立。

まるオフィスでのインタビューまるオフィスでのインタビュー

まるオフィスでは、地元で「わくわくする人材」を育成することを大切にされていました。お話の中で、地域で人材を育て、若者が外に「流出」してしまうのではなく、外に「排出」すると仰っていたのが特に印象的でした。この様に新しい切り口で人材育成やまちづくりにチャレンジされている団体でした。

岡山県での人材育成やまちづくりを考えていく中でヒントになりそうなお話をたくさん聞くことができました。

視察3.長洞元気村

この集落には、60世帯200人が暮らしていました。しかし、震災直後、交通網が遮断され一時孤立状態になったそうです。外部からの支援物資が届くまでは、住民の自宅に残った食材をかき集め、住民全員で協力して難をしのいだそうです。

避難生活を送る中で「集落がバラバラにならずに生活をしたい」と思うようになり、集落内に仮設住宅を建設するために行動を起こしました。その他にも復興に向けて自分たちにできることを考え、主婦が中心となりお菓子を作り、販売するといった取り組みをはじめ現在も引き続き行っているそうです。近年では、地元の子どもや修学旅行生を招き入れ、東日本大震災の伝承や子どもたちに自分事として考えてもらうために「防災小説」を参加した子どもに書かせるなどといった取り組みをされています。

お話を聞く中で、震災を知らない世代に震災について伝えることの難しさや葛藤があることが分かりました。
私は、東日本大震災以降はじめて東北を訪れました。震災当時、どの様な状況だったのか、復興に向けてどの様な取り組みをされてきたのか直接お話を聞くことができ貴重な時間を過ごすことができました。

インタビューの様子インタビューの様子

今回の視察を通して、防災・減災教育を行う上で、学校教育、地域、学校教育と地域が連携して行っていくことの重要性を改めて感じました。特に震災を体験していない・知らない世代に対してどの様に伝承し、決して他人事ではないということを伝えていけるのかがポイントであると考えています。様々な場所で、様々な人から「災害」について伝えていくことが必要なのではないでしょうか。

東日本大震災から8年という年月が経とうとしています。地域によって、復興進度は様々です。私たちは、東日本大震災をはじめとする多くの震災・災害に対してどの様に向き合っていくかを一人ひとりが考えていく必要があると思います。

防災・減災について取り組めることは、主に(1)短期間で行えること(2)長期間で行うことの2つがあると考えました。(1)では、非常時に備えて家具の固定や防災食の準備、家族でのルールづくりなどが挙げられます。(2)では、「まちづくり・ひとづくり」です。自身の身を自身で守れるようになるために住んでいる地域がどの様な場所かをしっかりと把握する。社会には、様々な人々が暮らしていることを理解し、実際に関わりを持ってみる。近年、地域コミュニティの希薄化が問題視されています。以前までの地域コミュニティの在り方も大切ですが、その時代やその地域にあった地域コミュニティの在り方を模索していくことも必要であると考えています。

今回の視察で学んだことを活かした実践を行い、これからも災害に強いまちとは何か、自身には何ができるのかについて考えていきたいです。

 

山田真珠(岡山大学大学院教育学研究科 教育科学専攻 修士1年)

1995年生まれ栃木県出身横浜市育ち。学部時代(経済学部経営学科)は、中小企業のマーケティングやまちづくりの研究を行うゼミナールに所属。その他にも選挙管理委員会の方と若者向けの選挙啓発活動や主権者教育の実践を行ってきた。様々な活動を行う中で地域課題などの解決に向けて「教育」の必要性とその役割について関心を抱き、大学院進学を決意。社会科教育や市民性教育を学んでいる。

 

山田凪紗(岡山大学大学院教育学研究科 教育科学専攻 修士1年)

1992年生まれ栃木県出身横浜市育ち。学部時代は法学部に所属し、自治行政や行政学を専攻。2年生からゼミナール活動の一環で、若者向けの選挙啓発活動に携わる。現在は、岡山大学大学院に進学し、社会科教育を専攻している。

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