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「サステーナブル世界に向けて地域の知的財産を活かす人づくりの探求」研修報告

公開開始日:2019年02月14日

ノートルダム清心女子大学国際教育研究会

私たちノートルダム清心女子大学国際教育研究会は、持続可能な社会に向けて国際社会を視野に入れた多文化共生の社会づくりをめざす青少年の教育について検討しています。2018年度岡山ESDプロジェクトユース活動支援助成金事業に採択され、「サステーナブル世界に向けて地域の知的財産を活かす人づくりの探求」を目的として和気・備前地区の「教育」に着目し、調査しました。

和気町役場玄関にて和気町役場玄関にて撮影

英語教育と地域学で未来の人材を育てる和気町

和気・備前地区は、閑谷学校開設の歴史を有する風土の中、過去から現在に至り時代に対応した教育活動を行っています。今日では、次のような代表的な活動があります。

(1)グローバル化を視野に入れた地域の教育活動
(2)地元への愛着を深める地域学
(3)社会教育や人格形成における講座の開催
(4)地域の知的財産を活かした人づくりと持続可能な地域づくりへの取り組み

この調査を行うにあたり、大学や社会教育の知的財産がどのように活用されているか、和気町と包括連携協定を結ぶ本学の地域連携センターの資料や文献を利用し、知見を得たのち調査のための質問事項を検討しました。
それをもとに、研修内容や研修先を研究会内で検討し、旧閑谷学校、和気町役場まち経営課、和気町学び館サエスタを訪問しました。研修で知り得たことを研究会内でとりまとめることで学びを深めることができました。

研修で学んだこと

和気町は子育て世代を中心とした定住促進のために、教育環境を充実させた町づくりが重要だと考え、「教育のまち和気構想」を策定したと伺いました。

無料の公営塾では地域おこし協力隊や地元の大学生が主体となり英検対策などの授業を行い、保育園や幼稚園にはALT(外国語指導助手)を派遣し、早い段階から英語に親しむ環境づくりも行っています。
この活動には、教育によりほかの地域との差別化を図ることで地域を魅力化することと、グローバル化が進み、英語を話せる人材として観光業界を盛り上げていくという目的があるということがわかりました。

その他にも、県立和気閑谷高校の授業の一環で「閑谷學」という、商店街の活性化や産業振興といった地域の課題に、生徒自らが解決策を考えるという授業もあります。この学習から生徒たちの地域への愛着や責任感を育み、定住やUターンを促しています。

このような地域を中心とした学習は、将来の地域を担う人材を育成すると同時に、子育て世代にとっての和気町自体の魅力が増し、移住者増加につながっていることが分かりました。
その上、移住推進委員の設置や、お試し住居の整備、高校までの医療費無償化、商業用施設の誘致などの取り組みを行い、住宅・結婚・子育て・雇用など移住者が抱える不安を行政がバックアップするような制度もしっかり整えられています。その成果として2017年の移住者は2015年の4倍まで増加したそうです。

和気町役場でのインタビュー和気町役場でのインタビュー

学んだことを地域づくりに生かすには

【1】子育て世代にアピールするための工夫
地域での英語教育に特化した教育が、子育て世代へのアピールになり、移住者を増やし、地域の過疎化の防止や活性化につなげていくことができると感じました。

【2】子供たちが地域に愛着を持つための取り組み
都市集中・地方の空洞化が進む今日、持続可能な社会の実現のために和気町が目指したのは地域主体の教育を行うことで、子供たちが地域のことをしっかり学び、その地域に暮らす当事者として愛着・責任感をもつようになる教育であることがわかりました。
さらにそれらの教育を行政や地域おこし協力隊、地域住民が一丸になって取り組むことで、地域活性化につながると思いました。また活動を通して新たな人材を外部から呼び込むきっかけにもなっていると感じました。

【3】研修を踏まえて見えてきたこと
岡山県全体でも、その土地の特性を生かした生涯学習を推進し、その土地の良さに気づくことのできる機会を提供することが求められと思います。
今回の研修を踏まえたうえで今後の活動では、諸問題を抱える地域について課題を発見し、社会教育事業を通して解決策を生み出し、それらを同世代に広く広報することで若者達の地域交流の輪を広げていきたいと思います。

事業実施後の展望

和気町には江戸時代に身分制度によって、教育を受けられなかった庶民のために開かれた旧閑谷学校があります。その歴史が、現代の義務教育を始める上での基盤となっています。さらに、現代では英語に特化した教育が地域で行われています。そのことが、未来のグローバル社会において、人々が相互的に助け合える、持続可能な世界につながっていくでしょう。つまり、和気町では江戸時代も現代もその時代の教育における課題を解決し、未来の人材を育てる先進的な取り組みが行われているといえるでしょう。

旧閑谷学校旧閑谷学校の施設をボランティアの方に案内してもらう

 

ノートルダム清心女子大学国際教育研究会

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