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第7回ESDカフェ(2017年度)

公開開始日:2018年01月17日

テーマ

正しく伝わっているの?~案内サインの多言語対応in岡山市~

開催
日時

2017年12月21日(木曜)18時30分から20時

開催
場所

環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井2-2-10)

講師

岡山商科大学教授 宮偉先生

 

第7回ESDカフェ「正しく伝わっているの?~案内サインの多言語対応in岡山市~」

2017年12月21日(木曜)に、2017年度第7回ESDカフェを開催しました。今回は、「正しく伝わっているの?~案内サインの多言語対応in岡山市~」というテーマで、岡山商科大学教授宮偉先生にお話しいただきました。中国や韓国出身の方をはじめ、大学生、大学・行政関係者など幅広いバックグラウンドを持つ方々にご参加いただきました。

宮偉先生

日本政府は観光立国を国策のひとつとして位置づけています。また、日本に来る外国人は急増しており、岡山市においても、外国人観光客は年々増えています。案内サインの多言語対応があるかどうか、ある場合は正しい表記がされているかどうかということは、外国人の抱くその街のイメージにも関わる問題です。宮偉先生は、岡山市役所へのヒアリングや、岡山空港、吉備津神社、犬島等観光地での実地調査、観光客へのアンケート調査等を通じて、どうすれば岡山に来てくださった外国人の方にわかりやすい案内表記になるか研究をしています。

 

多言語対応の案内サインの設置基準について

 観光庁が、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」を作成しており、これが多言語案内サイン設置の上での基準とされています。このガイドラインでは、「禁止・注意」を促す案内サインと「名称・案内・誘導・位置」を示す案内サインは多言語対応が必須とされています。また、「展示物等の文章解説」についても、設置することが望ましいとされています。

では、岡山市の現状はどうなっているのでしょうか。宮偉先生が岡山市の観光地等を実地調査された結果、対応が必須とされる「禁止・注意」を促す案内サインについては、全く対応されていないか、英語訳しかついていない場合が多かったそうです。
例えば、ある観光地の駐車場にある河川増水時の注意の案内サインは、日本語のみとなっています。「名称・案内・誘導・位置」を示す案内サインも日本語のみ、もしくは日本語と英語のみの対応となっている場合が多く、外国人が多く利用する施設の案内サインにも、日本語のみのものがあります。「展示物等の文章解説」も、ほとんど多言語対応されていなかったそうです。施設名称のみ多言語対応されていて、肝心の施設の説明は日本語のみという案内サインもあります。
観光庁のガイドラインでは、多言語対応について、可能な限り地域や各種施設の間で統一性、連続性を確保することが望ましいとされていますが、同一施設内で同じ言葉の訳が案内サインによって異なっているなど、統一的な対応がされていない場合もあったそうです。

 

誤訳の例

 今回は、観光案内サインにおける間違った中国語を中心にお話しいただきましたので、そのうちのいくつかをご紹介します。

誤訳の例

上記の写真は、とある神社の手水の案内サインです。身を清めると説明するために、中国語で浄身(※浄は「さんずい」ではなく「にすい」)という言葉が使われていますが、これは中国語で去勢の意味なので誤訳となります。また、水を受けるという説明に捧水という言葉が使われていますが、捧は中国語で両手で持つという意味であり、手水は片手で行うものなので、これも誤訳となります。

誤訳の例2

「文化空白語」の翻訳問題もあります。具体的な例を挙げると、先ほどの手水という言葉は中国には存在せず、手水と漢字で書いても意味が通じません。また、上記の写真は、岡山市内のある船乗り場の案内サインですが、~丸という日本の船の名前がそのまま中国語にされています。日本人であれば、ある言葉の最後に丸がつけば船の名前だと連想できますが、中国人の場合は、最後に丸がつくと、肉団子か漢方薬を連想するそうです。
宮偉先生は、今後は案内表記の研究を含め、岡山市に住む外国人の方への言語面の支援について研究を進めていく予定だということです。

宮偉先生のお話の後、参加者の皆さんで、「いろんな言語、文化のバックグラウンドを持つ人が一緒に暮らしたり、心地よくコミュニケーションが取れたりする岡山市にするためにどのようなことが必要か」について話し合いました。「文化間の空白を意識することが大切。また、日本、中国、韓国では漢字が使われるため、書けば通じる気になっていることがあるが、実際は同じ漢字で全く異なる使い方の場合も多い。」「イラストや色で説明があれば外国人も子供もわかりやすい。」「誤訳を見つけた時、それをフィードバックできる仕組みがあればいいと思う。」などの意見が出ました。

また、カフェ全体として、「岡山は観光資源が豊富なので、来岡された外国人の方に知ってもらうためにも多言語対応が重要だと思った。」「在住されている外国人の方の話を聞くことができ、案内サインの現状や課題を知ることができた。」などの感想がありました。

ESDカフェの様子

お問い合わせ
岡山市ESD推進協議会(岡山市ESD推進課内) 小西・宮崎
電話:086-803-1351
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp