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第5回ESDカフェ(2017年度)

公開開始日:2017年09月20日

テーマ

「燃費のいい家」ってどんな家?
~フライブルグ(ドイツ)から学ぶ
 お財布・健康・自然にやさしい住宅づくり~

開催
日時

2017年8月17日(木曜)18時30分から20時

開催
場所

環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井2-2-10)

講師

株式会社ウェルネストホーム
石川義和さん

 

第5回ESDカフェ「『燃費のいい家』ってどんな家?~フライブルグ(ドイツ)から学ぶお財布・健康・自然にやさしい住宅づくり~」

8月17日(木)に、平成29年度第5回ESDカフェを開催しました。今回は、株式会社ウェルネストホームの石川義和さんをゲストにお迎えし、省エネで、人・自然・地球にやさしい住宅について考えました。

ESDカフェ1

 

環境先進都市ツェルマットと地球温暖化

石川さんは、先日までヨーロッパに出張していて、スイスのツェルマットという街に立ち寄ったそうです。ツェルマットはマッターホルン観光の拠点として有名で、環境問題にも積極的に取り組む街として知られています。条例により、ガソリン車の乗り入れが禁止されており、街の中を走る車は全て電気自動車です。電気自動車は騒音が少なく、街は静かで美しい環境が保たれていますが、そんなツェルマットにも差し迫った環境問題があります。

ツェルマットでは、以前は夏でも雪が残りスキーが出来ていたそうですが、近年は、地球温暖化の影響を受けて雪が解け、年々滑れなくなってきているそうです。地球温暖化はツェルマットという小さな街だけが環境問題に取り組んでも対処できないことであり、世界全体で取り組むべき課題です。

 

フライブルクのヴォーバン地区

また、もう1つ、環境に配慮した住宅地として世界中から注目を集めている例として、ドイツ・フライブルクのヴォーバン地区を紹介されました。フライブルクは人口22万人ほどで、ドイツ南西部、フランス・スイス国境近くにある街です。この地区は、もともとフランス軍の基地で、ドイツに返還された後、フライブルク市が購入し、計画的に整備されました。

ここでも、地区内への車の乗り入れが制限されていますが、職住近接の考えのもと、仕事場、学校、保育園、スーパーなど様々な施設があるため、地区内では徒歩圏内で生活することができます。また、地区の中をトラムが走っているため、中心部まで簡単にアクセスすることができます。ヴォーバン地区は緑に囲まれており、建物は断熱がしっかりしていています。また、太陽の熱を効率的に利用できるような設計がされています。暖房は、地域暖房といって、地域でまとめて熱をつくり、それを分け合って効率的に使っているそうです。エネルギー効率についてしっかり考えられた住宅が建てられているのです。

 

EUのエネルギーパスについて

環境に配慮した街や住宅づくりは、ツェルマットやフライブルクなど、先進的地域でのみ取り組まれているわけではありません。EUでは、家を売る際、エネルギーパスという指標を用いて家の燃費を表示することが義務づけられています。そのため、誰でも簡単に、その家で一年を通して快適な温度で過ごすために必要なエネルギー量を知ることができます。立地や価格などの情報と合わせて、エネルギー効率に関する情報は必ず掲載されているので、家の断熱性・気密性が容易に購入検討基準の1つになります。日本では、EUのようにエネルギーパスの表示は義務づけられてはいませんが、日本エネルギーパス協会が発足し、長野県でエネルギーパスがエネルギーの評価指標の一つとされるなどの動きが見られます。

ESDカフェ2

 

日本の家の問題点

日本の家は、断熱の基準が他の先進国と比較しても低く、冬は家の中が大変寒くなります。しかも、日本では家全体ではなく、部屋ごとに暖房する傾向があるので、冬場お風呂やトイレに行くとき、廊下を移動するときなどは大きな温度差を体感することとなります。この急激な温度変化により、血圧の乱高下など、身体に影響が生じることをヒートショックと言います。石川さんによると、日本では冬場にこのヒートショックが原因で亡くなる方が多く、日本で1年間に交通事故で亡くなる人数より、風呂場で亡くなる人数の方が多いそうです。

また、建築コストを抑えた家では、カビが生えたり、カビを餌にするダニが増えたりする場合が多いです。ダニの死骸は、ハウスダストアレルギーを引き起こします。アレルギーが原因で精神の不調をきたす人もいるようです。東日本大震災の後、緊急に整備された多くの仮設住宅も、カビが生えたり、アレルギー被害が発生したりしています。

 

健康に住み続けることができる家

石川さんの会社がある香川県では、バブル崩壊以降、ローコスト住宅が多く建ちました。高松市周辺では、市街化調整区域がなくなって地価が下がり、市街地がどんどん拡大していきました。安い土地に安い家を建てるという人が増えました。結果として、ヒートショックや、アレルギー症状が引き起こされる住宅も増えることになりました。

石川さんは、フライブルクの住宅のような、高気密で高断熱、太陽の光や風の力を活かした設計の家に住むことで、エネルギーロスを削減し、アレルギーの症状やヒートショックを引き起こすことのない、健康な暮らしをすることを提案しています。実際に石川さんの会社の高松のモデルハウスでは、燃費のいい住宅の宿泊体験をすることもできるそうです。

住宅を選ぶとき、私たちは、立地や価格などばかりに注目してしまいがちです。今回のESDカフェで、海外の事例や国際比較を通じて、環境への負荷をおさえながら、安心・健康に暮らすことの重要性について、学ぶことができました。

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お問い合わせ
岡山市ESD推進協議会(岡山市ESD推進課内) 小西・宮崎
電話:086-803-1351
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp