公開開始日:2015年02月18日
2014年(平成26年)11月6日(木曜)から11月8日(土曜)までホテルグランヴィア岡山と岡山大学を会場に「ユネスコスクール世界大会」が開催されました。
「ユネスコスクール世界大会」は、「高校生フォーラム」「教員フォーラム」「ユネスコスクール全国大会」の三つで構成されていました。それぞれの会議についてお伝えします。
そもそもユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校のことをいいます。文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点として位置付けています。
開催日程:2014年11月6日(木曜)から11月7日(金曜)
開催場所:ホテルグランヴィア岡山
高校生フォーラムには、世界中から31チームと日本国内から各地域の代表9チームの合わせて40チーム(1チームは、生徒4名と引率教員1名)200名と、運営スタッフとして参加した岡山・大阪の高校生・教員・大学生スタッフ600名、そしてオブザーバーを合わせた約900名が参加しました。
フォーラムではESDをテーマに議論し、「ユネスコスクール世界大会Student(高校生)フォーラム共同宣言」をまとめました。なんといってもこの会議の特徴は、会議の運営を高校生自身が『手作り』でつくり上げたことにあります。
参加した各チームがこれまでに取り組んできたESD活動について報告しました。参加した国により、抱えている課題やその解決に向けた取り組み方もいろいろで、多様な文化・価値観にふれる貴重な体験となりました。
各チーム2名ずつに分かれ、以下の二つのテーマ別にディスカッションが行われました。
【ディスカッションA】
「日常生活や社会において持続性を阻害しているものは何か」
【ディスカッションB】
「持続性を促進するために重要なものは何か」
ディスカッションAでは、「若者の意識が低い」「地域でのコミュニケーションが少ない」「貧困による教育などの様々な格差」「問題に対する優先順位がきちんと整理されていない」など現代社会が抱えている問題に対し、高校生ならではの鋭い視点での意見が数多く出されました。
ディスカッションBでは、「国を越えた人々のつながり」「文化を継承する努力」「将来に目を向けていること」「物事に対する責任感」「世界の一員だという意識」など多様でグローバルな視点での意見が数多く出されました。
全体ディスカッションでは「持続可能な社会や未来を創るためにASPnet※の高校生として共に目指すべきものは何か」をテーマに活発な意見交換が行われました。「若者たちが責任感を持つこと」「すべての人が教育を受けられる社会」「みんなに平等なチャンスが与えられること」「一人ひとりが自分たちの力に気づくこと」「将来の夢を持ちどのように貢献できるか考え、行動すること」など、高校生として、未来をつくっていく若者らしい考えがたくさん出されました。
※ASPnet (Associated Schools Project Network) への加盟が承認された学校を、ユネスコスクールと呼んでいます。
ディスカッションで出された多くの意見をもとに、各チームの代表一名が参加する宣言文起草委員会が開かれ、宣言文(案)が作成されました。
高校生の司会進行のもと40チームの意見をまとめることは大変でしたが、そこはESDを学び推進していく仲間として、互いに思いやり、意見を尊重し合いながら、起草委員・ファシリテーター・運営スタッフの力を結集し、案をまとめあげることができました。
フォーラムのまとめである全体会で議長が選出され、宣言文案が読み上げられました。会場からはいくつもの質問や意見が出され、修正が加えられました。その後、会場からの盛大な拍手によって宣言文が採択されました。
・Student(高校生)フォーラム共同宣言【日本語版】(PDF148KB)
・Student(高校生)フォーラム共同宣言【英語版】(PDF77KB)
国や立場を越え、これからの未来をつくる一人として全力を尽くすことを参加者全員で共有し閉会しました。
今後は各国・地域へ帰った高校生たちが中心となり、それぞれのフィールドでESDをより一層推進していくことを誓いました。
今回岡山の地へ集った若者たちの未来への熱い思いは、きっと社会を変えていく大きなエネルギーになるはずです。高校生たちの活躍に期待!
フォーラムに参加した高校生の感想を一部紹介します。
〇地球上の様々な問題に圧倒されました。世界を変えたいし、自分がそのために動かなくてはと思います。それが私の人生の目標だと思います。 |
〇この大会を通して私は「世界」というものが実は隣り合っていて、どの国の人も自分の国が大好きで、他の国も大好きということが分かりました。今回は三日間という短い期間でしたが、たくさんの笑顔をみることができました。これと同じ経験はこれから簡単にはできませんが、将来に生かしていきたいと思います。 |
(岡山市ESD世界会議推進局)
♯21「『ESD推進のための公民館-CLC国際会議~地域で学び、共につくる持続可能な社会~』開催レポートその1」
♯22「『ESD推進のための公民館-CLC国際会議~地域で学び、共につくる持続可能な社会~』開催レポートその2」
♯25「『ESDに関するユネスコ世界会議』全体報告」
♯28「『ユネスコスクール世界大会』開催報告その2」
♯29「『ユネスコESDユース・コンファレンス』開催報告」
♯30「『教師教育に関する国際会議』開催報告」
【ご注意ください】