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「ESD岡山アワード2019 奨励賞」株式会社ありがとうファームの活動紹介

公開開始日:2019年12月16日

「株式会社ありがとうファーム」とは?

「知ることは、障がいを無くす。」をスローガンに、障がい者の自立と共生社会の実現を目指す多機能型事業所「株式会社ありがとうファーム」。芸術作品や雑貨の制作販売・ワークショップ等を行う「アート部門」、飲食店経営を行う「サービス業部門」を主軸に、多様な事業を展開しています。
中心となって活躍するのは、ハンディキャップを持つ「メンバー」たち。約90人のメンバーが、絵画制作や編み物、調理、接客などそれぞれの得意分野を生かして仕事に取り組んでいます。

株式会社ありがとうファーム株式会社ありがとうファームのアトリエ

そんな同社が「株式会社イタミアート」「岡山理科大学エシカルラボ」と共同で実施する商品開発事業が、このたび「ESD岡山アワード2019」にて「岡山地域賞 奨励賞」を受賞しました。今回は、障がい者の収入向上と地球温暖化防止の両面からSDGs達成に寄与する当事業について、プロジェクトの経緯や活動への思いを交えてご紹介します。

左から、「イタミアート」伊丹さん、「ありがとうファーム」富岡さん、「岡山理科大学」川島さん左から「イタミアート」伊丹さん、「ありがとうファーム」富岡さん、「岡山理科大学」川島さん

のぼり旗の端材から誕生したブランド「nobori」

雑貨店の一角でひときわ目を引く、色鮮やかなカバンや帽子、編みぐるみの数々。
「nobori」というブランド名が付けられたこれらの商品は、すべてのぼり旗の端材から作られたものです。「ありがとうファーム」に所属するハンディキャップアーティストたちが、端材を毛糸玉のように丸め、手作業でさまざまな商品へと編み上げています。

色とりどりの「nobori」商品たち
色とりどりの「nobori」商品たち
軽くて丈夫なバッグや帽子
軽くて丈夫なバッグや帽子

 

材料となる端材を提供しているのは、岡山市に本社を構えるのぼりメーカー「株式会社イタミアート」。焼却処分により二酸化炭素排出の原因となっていた端材を有効活用できないかと、2017年頃に「ありがとうファーム」に相談したことが事業スタートのきっかけとなりました。
端材を使った新商品を開発することで、地球温暖化を抑制できるだけでなく、ハンディキャップを持つ人々の収入向上にも繋がるのが、この事業の特徴です。

「イタミアート」の取締役 伊丹亮平さんは次のように話します。
「人や社会、地球環境に配慮した『エシカル』な商品作りが社会的なニーズとなってきている時代。この取り組みは、私たちにとって社会に誇れる事業のひとつになっています。」

社会と繋がる喜びをくれる“オンリーワン商品”

商品作りは、大きな芯に巻き付けられた端材生地を、毛糸玉のように丸めていくところからスタート。カギ針を使って1点1点、丁寧に手作業で編み上げていきます。そのため、色、形、質感どれをとっても同じものは存在しません。まさに、世界にひとつ、オンリーワンの商品が完成します。

のぼり旗の端材
のぼり旗の端材
丁寧な手作業で商品に生まれ変わる
丁寧な手作業で商品に生まれ変わる

 

「のぼり旗の端材は毛糸とは違ってテープ状。コツをつかむまでは大変でしたが、力加減ひとつで変わる質感や、思ってもみなかった色の変化が楽しめて、何個編んでも飽きないんです」と、笑顔を浮かべるのは「ありがとうファーム」の編み物のスペシャリスト、富岡千帆さん。

「この仕事に携わっていなければ、編み物は単なる趣味でしかなかったと思います。それが、きちんと仕事として認められ、収入も得られる。社会の一員であることを実感できて、自信になりました。『nobori』の商品作りは、企業の方との関わりもあり、とても刺激的。この先どこまで広がっていけるか、想像しただけでワクワクしています。」

大学生も加わり広がる商品開発

2019年からは、人や環境に配慮した「エシカル消費」を岡山に根付かせようと活動する「岡山理科大学エシカルラボ」も事業に参画。学生ならではの感性を活かした商品アイデアやデザインの提案、SNSでの広報活動などを行っています。

ありがとうファームとエシカルラボのミーティングの様子
ありがとうファームとエシカルラボの
ミーティングの様子
学生のアイディアが反映された傘カバーが店内に並ぶ
学生のアイディアが反映された
傘カバーが店内に並ぶ

 

岡山理科大学 経営学部の准教授で「エシカルラボ」を率いる川島聡さんは、この事業に参加する意義について次のように話します。
「これまでに、学生のアイディアを生かした傘カバーや手帳カバーなどが商品化されました。学生たちにとって、自分たちの提案が採用され商品になる喜びを経験することは、今後社会人として活躍するうえで大きな自信になると思います。また、のぼり旗製造工程の見学やハンディキャップアーティストの方々とのミーティングを通じて、これまで自分たちが知り得なかった社会の仕組みを知るきっかけとなり、多様性とは何かを深く考える機会になっています。」

私たちの仲間になりませんか?

最後に、事業の取りまとめを担当する「ありがとうファーム」のマネージャー、木庭康輔さんよりメッセージをいただきました。
「地球温暖化の抑制と障がい者の収入向上を同時に推進するこの事業は、 “私たちのSDGs”の理想形だと思っています。ここでいう“私たち”とは、ハンディキャップを持った当事者たちのこと。ハンディキャップがあっても、『生き生きと堂々と人生を生きられる』社会をつくることが、当社の目標です。みなさん一人ひとりが主役となって、一緒にSDGsの達成を目指しませんか?」


広報ポスター

ESDマン

人と環境、どちらにもやさしい商品が、持続可能な社会をつくっているんだね!